トラウマ克服!「ヌルテカ」の赤を求めて
こんにちは!Piro Styleへようこそ。 前回、ノーズを切断するという荒療治を経て工作を終えた「フジミ フェラーリ 641/2」。 今回は模型製作のハイライトであり、フェラーリを作る上での最大の難関、【塗装編】をお届けします。
実は僕、これまで「広い面のウェット塗装(垂れる寸前まで吹く塗装)」が大の苦手でした。 なぜなら、どうしても「カブる(白く粉を吹いたようになる)」から。
これまでは濃度やエア圧、パーツとの距離感といった、正解のない迷路の中で必死に答えを探してきました。しかし今回、その長年のトラウマにようやく終止符を打つ時が来たのです。
ついに辿り着いた、光沢塗装の完全攻略。その最大の鍵は、意外にも『シンナーの選び方』という基本の中にありました。
なぜ白くなる?「盲点」だったシンナー選び
これまで僕は、乾燥の速さを求めて盲目的に「クアトロポルテ(クアポル)シンナー」を使っていました。 しかし、これこそが失敗の原因だったのです。
乾燥が早すぎるため、塗料が表面で馴染む前に乾いてしまい、ザラついたり白く粉を吹いてしまっていたんですね。 そこで今回、「リターダー(乾燥遅延剤)入り」のシンナーに変えてみました。
- 使用シンナー: ガイアノーツ「ブラシマスター」
結果は……今までの失敗が嘘のように、ツヤッツヤに塗れました!
驚いたのは、あれほど苦労していた濃度やエア圧の微調整が、ほとんど必要なくなったこと。 まさに『シンナーを変えただけ』で、理想の艶が向こうからやってきたような感覚です。これは本当に感動しました!
徹底解説!フェラーリ・レッドの塗装レシピ
それでは、今回の塗装工程とレシピを全公開します。 特に「研ぎ出し」は、焦らずゆっくり楽しむのがコツです。
基本色:スクーデリア・ロッソ
下地には発色を助けるピンクを使用し、その上に深みのある赤を重ねました。
僕は赤系の発色をよくしたい時は(F)ファンデーションピンクをよく使用します。
- 下地: フィニッシャーズ ファンデーションピンク
- 本塗装: ガイアノーツ スクーデリアロッソ’17
輝きの秘密:クリアーコート&研ぎ出し工程

塗装の肌を整え、鏡面のような艶を出すための工程です。 今回は以下のようなステップで、じっくりと時間をかけました。クリアは安定のEXクリアです。
- デカール貼り&砂吹き: 赤塗装後、デカールを貼り、クリアー(ガイアEXクリア 1 : ブラシマスター 1)を砂吹き&ウェット吹き。
- 乾燥: 1週間放置。
- 中研ぎ: トレカット1500番でデカールの段差などを均します。
- オーバーコート: 仕上げのクリアー(ガイアEXクリア 1 : ブラシマスター 2)をウェット吹き。
- 乾燥: 再び1週間放置 → 最後にもう一度ウェット吹き。
至福の時間:研ぎ出し
ここからは、クリアー層を磨き上げていく作業です。 「力は入れない」のが鉄則。1工程につき1日〜2日かけ、ゆっくりと艶が出ていく変化を楽しみました。
研磨するヤスリはゴッドハンドやタミヤ等、色々試しましたが僕は「トレカット」と「ラプロス」の黄金コンビが最もやりやすかったです。
- 水研ぎ: 必ず消しゴムなどの椹木につけて優しく撫でる
- トレカット #2000 → #3000
- ラプロス #4000 → #6000 → #8000
- コンパウンド:
- タミヤ(細目) → タミヤ(仕上げ目)
- ハセガワ セラミックコンパウンド
- 仕上げ: コーティングポリマー

水研ぎ後の濡れたボディ……この瞬間の美しさは格別です。
失敗とリカバリー:デカール縮み事件
順調そうに見えますが、しっかりトラブルも起きています(笑)。 カウルトップの「Marlboro」ロゴにご注目ください。

クアポルで割ったクリアーを塗装中、おそらくシンナーの強さからデカールが「シワッ」と縮んでしまいました……。 「A.PROST」の枠線が歪んでいます。
非常に目立つ場所の為、絶望感でいっぱいでしたが諦めません。以下の手順でリカバリーを行いました。
- クリアー乾燥後、縮んだ部分をぎりぎりまで平らに研ぎ出す。(トレカット1500番)
- 手持ちの余ったデカールの「白い余白部分」を細かく切り出し、ハゲた部分に移植。

いかがでしょう? めっちゃ目立ちますよね(笑)
これ本当によくなるの?と白目になりながらクリアを吹いたのはいい思い出です。
でも、最終的にはここまで目立たなくなりましたよ。

もう一つの失敗:力の入れすぎによる傷
研ぎ出し中、早く艶を出そうと焦って力を入れすぎた結果……。

やってしまいました。クリアー層に深い傷が入っています。 これは高番手では消えません。 潔く1500番のペーパーに戻って削り直しです。 「急がば回れ」。模型の格言は正しいですね。
その他のカラーレシピ
シートの質感など、細部にも「大人のこだわり」を詰め込みました。
- シルバー: (C)スーパークロームシルバー
- シート: 艶消しクリア濃い目→(C)タン : (T)イエローグリーン = 1:2
- ※独特なシートの質感を再現!
- ゴールド: (C)ゴールド
- 黒: (C)ブラック、セミグロスブラック
次回予告
トラブルもありましたが、シンナーを変えたことによる塗装のレベルアップ、そして地道なリカバリーを経て、ようやく納得のいく「ヌルテカボディ」が仕上がりました。
次回はいよいよ【完結編】。 精密に塗り分けたエンジンやサスペンションを組み込み、完成したフェラーリ641/2の全貌を公開します。
お楽しみに!
今回の「トラウマ克服」を支えてくれた名脇役たち
今回のフェラーリ製作で、僕を長年の塗装トラブルから救い出し、仕上がりを一段引き上げてくれた道具たちです。 「もっと早く使っていれば……」と後悔するほど確かな実力を持ったものばかりですので、ぜひチェックしてみてください。
ガイアノーツ「ブラシマスター」
今回のMVPです。この「リターダー(乾燥遅延剤)入り」シンナーに変えるだけで、広い面の艶出しが驚くほど楽になります。トラウマ克服の第一歩にぜひ。
コバックス「トレカット」
研ぎ出しの精度を格段に上げてくれた魔法のペーパーです。裏面がシールになっているので、小さなあて木に貼りやすく、狙った場所をピンポイントで面出しできます。
三共理化学「ラプロス」
水研ぎの最終仕上げには欠かせない存在です。布のような柔軟さがあるので、F1の複雑なカウル形状にも優しくフィットし、磨き傷を残さず極上の艶を与えてくれます。
あわせて読みたい:道具のポテンシャルを引き出す「基本」の技
せっかく良い道具を揃えても、使い方が間違っていてはもったいないですよね。 今回紹介したトレカットやラプロスを120%活かすための「ヤスリの動かし方」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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