プロローグ:正解の先にある景色
こんにちは、Piroです。 前回、長年のトラウマだった光沢塗装を克服し、理想の「ヌルテカボディ」を手に入れたフェラーリ 641/2。 今回は、細部の組み立てからフィニッシュ、そして完成した姿をお披露目する【完結編】をお届けします。
ディテールアップ:密度感への執念
ボディの艶に負けないよう、細部のディテールには「大人のこだわり」を詰め込みました。
シートベルト(フィニッシャーズ製)
1/20スケールの密度感を決めるのはコックピットです。今回はフィニッシャーズ製のシートベルトセットを使用。エッチングの金具と布の質感が加わることで、プラスチック特有の軽さが消え、一気に実車のような緊張感が漂います。

ウイング組み立ての自作ツール
F1モデル最大の難所、それはウイングの「水平・垂直・平行」を出すこと。前回の記事でご紹介した自作クランプが、ここで真価を発揮しました。コンマ数ミリのズレも許されない工程ですが、ツールのおかげで迷いなく精度を追い込むことができています。

瞬着×硬化促進スプレーの「スピード感」
位置決めがシビアなウイング工作で大活躍したのが、2025年の「買って良かった」でも紹介した瞬間接着剤と硬化促進スプレー。一瞬でバシッと固定できるからこそ、迷いなく攻めた工作が可能になりました。
ステンシル塗装で刻む「リアル」
タイヤロゴはデカールを避け、ステンシルによるマスキング塗装を選択。ゴムの質感に馴染んだ「吹きつけならではのロゴ」は、磨き上げたボディと最高のコントラストを見せてくれます。
苦渋の決断:エンジン再現か、フォルムか
実は今回、一番の葛藤があったのがエンジンの取り扱いです。 プラグコード一本一本まで塗り分け、自分なりに納得のいくエンジンに仕上げていました。しかし、いざカウルを被せてみると……どうしても数ミリ、浮きが出てしまう。

「エンジンを見せるか、フェラーリの流麗なラインを守るか。」
数時間悩んだ末、僕はカウルの接着を選びました。 シンナー選びから変えて手に入れた、あの完璧な艶を「隙間」で汚したくなかった。仮組みの重要性を改めて痛感しつつも、今回は「全体の完成度」を優先することにしました。
完成:Ferrari 641/2
それでは、完成した姿をご覧ください。 写真は、僕の模型仲間であり、ライティングの魔術師・nineさんに最高の状態で撮影していただきました。



黄色い背景に、吸い込まれるようなスクーデリア・ロッソの赤。 光を美しく、淀みなく跳ね返すこの艶こそ、僕が迷路の果てに見つけた「正解」です。
ジャンルの垣根を越えて
今回の製作にあたり、「別ジャンルへの挑戦こそが、模型技術の引き出しを劇的に増やしてくれる」ということをとても感じました。ガンプラだけを作っていたら、ここまでシンナーの特性や、コンマ数ミリを出す治具の重要性に真剣に向き合うことはなかったかもしれません。
別の世界の「当たり前」に触れることで、自分の工作スタイルがアップデートされるというのは、モデラーとしての成長を実感できる楽しみの一つだと思います。そんな手応えを感じた製作でした。この経験が少しでも届けば嬉しいです。




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