「接地」と「浮遊」がポージングに魂を宿す
導入:視線の次にこだわるべきは「四肢の表情」
前回、首の伸縮ギミックで「最高の睨み」を手に入れたウイングガンダム。まだ読んでいない方は、まずはこちらの記事をご覧ください。
あわせて読みたい:プラスワンモデリング|手軽に化ける「最高の睨み」の作り方
首元が決まれば決まるほど、今度は足元の「硬さ」が気になり始めます。
今回はプラスワンモデリングの締めくくりとして、足首甲パーツの可動域拡大と、空を舞う機体には欠かせない「ディスプレイの自由度」を手に入れる工作を解説します。
足首甲パーツの「BJ化」で、しなやかな接地感を
MGウイングVer.Ka(2004年発売)の足首は、デザインこそ秀逸ですが、甲パーツの可動が上下左右に限られている為、足の角度に追随することができません。

これを「ボールジョイント(BJ)」に置き換えることで、足首のひねりに追随する「しなやかさ」を与えます。今回はHOBBYBASEの「ロールスイングジョイント(小)を使います。
2mmドリルで「受け」を作る
まずは甲パーツ側。既存の接続ダボ穴を2mmドリルで慎重に広げます。ここがBJの「接続軸」を受け止めるポイントになります。

軸側の「渋み」をシアノンでコントロールする

機体側の軸にBJの受けを接続しますが、そのままでは保持力が足りず「スポスポ」の状態です。ここで活躍するのが、高粘度の瞬間接着剤「シアノン」。 軸に薄く塗り広げて「層」を作ることで、軸を太らせ、理想の保持力を生み出します。

シアノンでの微調整
シアノンを塗った後は、「完全に」乾くまで待つのが鉄則です。半乾きで差し込むと二度と動かなくなる「悲劇」が起きます(笑)。少しキツいくらいに調整し、ヤスリで削って微調整するのが、ポーズを長持ちさせる秘訣です。
こうして足首の甲パーツをBJ化したことで、これまでは干渉して動かなかった「ひねり」の表情が自由自在になります。たった数ミリの可動域拡大ですが、これがポージング全体の「柔らかさ」に直結します。
それでは、工作を終えた全身のバランスを一度確認してみましょう。

いかがでしょうか。首元の鋭い睨みと、地面をしっかり掴む足元。この上下の「表情」が揃うことで、立ち姿の説得力が劇的に増しました。
しかし、ウイングガンダムを本当に輝かせるステージは、やはり「空」にあります。次は、この重厚なポーズを維持したまま浮かせるための工作に移ります。
「3mm軸」の新設。現代の空へ飛び立つために
「空を舞う姿」こそ、ウイングの真骨頂。 しかし、古いキットゆえに現代のアクションベースには対応していません。そこで股間ブロックに3mmの挿入部を新設。ストレスフリーなディスプレイと、空中での安定したポージングを両立させます。
股間ブロックへの「3mm接続穴」新設(アクションベース対応)
位置を決めたら3mmドリルで貫通穴を開けますが、プラスチックの厚みだけではアクションベースの重さを支えきれません。そこで、内部に「ポリキャップ」を埋め込む工作をプラスします。

画像のように、内部フレームの干渉箇所を削り、ポリキャップをシアノンでガッチリと固定。このひと手間で、汎用のアクションベースを直接、かつ強固に差し込めるようになります。
改修の集大成。ウイングは「空」でこそ輝く
股間ブロックに新設した3mm穴(ポリキャップ埋め込み済み)のおかげで、アクションベースへの接続は驚くほどスムーズかつ強固になりました。 それでは、今回の「工作編」すべてのレシピを組み合わせた姿をご覧ください。

いかがでしょうか。 専用のアタッチメントパーツを使わないことで、股間周りのシルエットが崩れず、まるで無重力空間に浮いているかのような自然なラインが生まれています。
そして、ご注目いただきたいのが「全身の連動」です。
- 視線: 首の伸縮可動により、顎を引いて敵を見下ろす「睨み」が効いています。
- 足元: 甲パーツのBJ化により、つま先をスッと伸ばした脚のラインが決まりました。
「睨み」と「浮遊感」。 二つの記事にわたって仕込んだ小さな工作が、この一枚のポージングにすべて集約されました。
「製作環境に左右されず、誰でも手軽にカッコよく。」
特別な設備がなくても、やる気と少しの時間さえあれば、ガンプラはここまで応えてくれる。 かつてニッパー一本でワクワクしていたあの頃の情熱を、今の技術で「プラスワン」して底上げする。これこそが、僕がこのシリーズで伝えたかった本当のテーマです。
(……ただ、僕のポージングだけは要練習ですね(笑))
皆さんの手元にあるキットも、ほんの「ひとつ」の手間で、きっとあなただけの「最高の一体」に化けてくれるはずです。 全2回の記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。
それではまた!



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